子宮がん検診・子宮頸がん予防ワクチン接種

世界では年間約50万人が子宮頸がんを発症し、約27万人が死亡しているという統計があります。この統計によると2分間に1人、子宮頸がんで亡くなる方がいる、ということになります。

子宮頸がんは、発がん性のヒトパピローマウイルス(HPV)が子宮頸部に感染することによって起こる病気です。

性交経験のある女性の80%が感染するHPV

感染原因のほとんどが性交渉によるものですが、HPVに感染することは決して特殊なことでなく、性交経験のある女性の約80%が一生のうちに一度は感染します。 HPVはどこにでもいるウイルスなので、感染の原因はセックスでも性感染症とは違います。

HPVに感染するのは風邪にかかるのと同じようなこと、つまり年齢に関係なく、性交経験があれば誰でも子宮頸がんになる可能性があるのです。

定期的な検診で早期発見・早期治療

子宮頸がんは初期には全く自覚症状がありませんが、検診を受けることによりがんになる前の状態である異形成や、初期がんの段階で発見することが可能です。

しかし、残念ながら日本の検診受診率は20%と非常に低く、せっかくの早期発見・早期治療の機会を失っているのが現状です(欧米では70~80%の受診率です!)。
特に最近は20~30代で子宮頸がんを発症する方が多く、今後の妊娠が不可能になったり、若くして亡くなってしまうケースも増えています。

自分の健康、そして輝かしい未来のため、1年に1回、必ず子宮頸がん検診を受けましょう!

子宮頸がん予防ワクチン

2009年12月より、日本でも子宮頸がん予防ワクチンが接種できるようになりました。
このワクチンは、発がん性HPVであるHPV16型とHPV18型の感染を防ぐもので、100ヶ国以上ですでに使用されているワクチンです。
3回の接種で長期にわたる感染予防ができますが、残念ながらすべての発がん性HPVの感染を防ぐことはできません。つまり、可能性は低くなりますが、ワクチン接種をしても子宮頸がんになる可能性はある、ということです。
ワクチン接種を行い、1年に1回の検診を行うことが、現段階では子宮頸がんから身を守る一番の方法と言えるでしょう。


検診の際にはエコー検査も受けましょう!

子宮頸がん検診にいらした患者さんには、必ずエコー検査も受けるようお話しています。
エコー検査では子宮筋腫や子宮内膜症、子宮体がん、卵巣腫瘍、卵巣がんなどの病気がないかチェックすることができます。
特に卵巣がんは初期に自覚症状が出ることはほとんどありませんので、定期的な検診が必要です。
子宮頸がん検診から引き続き1分程度で終わる検査ですので、年に1回はぜひエコー検査も行いましょう。

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