低用量ピル

1999年に日本でOC(低用量ピル)が認可されました。
しかし、我が国の低用量ピル普及率は3%と、諸外国に比べて非常に低いと言わざるを得ません。(ちなみにドイツでは、50%以上の女性が低用量ピルを服用しています!)

世界の多くの女性が積極的に低用量ピルを利用しているのに対し、日本ではいまだに『避妊薬=体に悪いもの』という偏見が強く、抵抗感を持つ方が多いのは本当に残念なことです。

なぜなら、低用量ピルは安全・確実に避妊できるだけでなく、副効用と呼ばれる体に良い作用がたくさんあるからです。

低用量ピルで避妊ができる仕組み

低用量ピルは卵胞ホルモンと黄体ホルモンという、2種類の女性ホルモンの合剤です。
毎日一錠ずつ飲むことで排卵を抑制し、子宮内膜を薄い状態にして受精卵の着床を防ぎ、子宮頸管粘液を変化させて、精子の子宮内への侵入を妨げます。

飲み忘れさえなければ、ほぼ100%確実に避妊できますし、服用を中止すると排卵が再開して妊娠可能な状態に戻ります。薬がその後の妊娠・出産、胎児に与える影響は一切ありません。


避妊の他に、体に良い効果も

女性にとって毎月の生理は煩わしいものですが、低用量ピルを飲むと生理痛が軽くなり、出血量が少なくなって貧血を改善します。

生理予定日が確実にわかりますし、旅行や受験、スポーツの大会など、生理を避けたいときは簡単に移動することもできます。

その他にも、PMS(月経前症候群)や子宮内膜症の治療にも効果的です。
また、ニキビや多毛の改善など美容面にも良い作用があり、長期服用すると子宮体がん、卵巣がんなどのリスクを下げることもわかっています。

このため低用量ピルを『生活改善薬』と呼ぶこともあるほどで、避妊以外の効用を目的に低用量ピルを内服する方もたくさんいます。

副作用はほとんどなく、起こっても最初のみ

ピルと聞くと副作用を心配される方が多いのですが、持病もなく健康な女性が医師の指導のもとに内服する限り、ほとんどリスクはありません。

低用量ピル開始直後に軽い吐き気、頭痛、乳房の張り、不正出血などマイナートラブルがおこることがありますが、ごく最初だけで、たいていは内服を続けるうちにおさまってしまいます。

低用量ピルで太るというのも誤った情報で、医学的根拠はありません。

ただし、喫煙は血栓症のリスクを高めることがわかっています。煙草はさまざまな健康被害の原因になりますので、低用量ピル開始を機会に禁煙を強くおすすめします。

低用量ピルは女性の悩みを解決する薬です。
上手に利用して、快適な毎日を過ごす方が増えますよう、心より願っています。

 

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